私たちクラシック音楽の演奏家はいわゆる他人の曲を弾く事で仕事をしておりますからある意味カバー曲だらけなわけです。それに対して今大変人気のある歌手の方々の大半はご自身で作詞作曲をされて歌っていらっしゃいます。これを私は一人称の曲と言っています。そしてそれこそ70年80年代は作曲家・作詞家の方々が歌手の方々のために書き下ろした曲を歌っている場合が多く、これを二人称の曲と言っています。そしてそのオリジナルの歌手の方々をあえて歌っている場合その曲は三人称と考えています。
つまり私たちは三人称の曲をせっせと演奏しているわけです。それにはあらゆる国、あらゆる時代の曲が含まれ、それぞれに音の使い方、奏法、更には楽器の違いまであり、それを全部弾き分けるにはかなりの技量と才能、音楽性、理解力が必要になります。そしてそれらは子供のころからコツコツと先生方にお習いして培ってきたものが多く、それに自分たちで探し学んだものをプラスして演奏にこぎつけます。つまり誰かに必ず習っているわけです。
そして美空ひばりさんのお話。
私と同じ年代の方々でひばりさんを知らないという方はほとんどいらっしゃらないと思います。日本の歌謡界において最高の歌い手であり、女王と言われた方です。
歌ってきた歌も子供時代に最初に歌ったブギをはじめ演歌、そして古賀政男先生のような重鎮の歌謡曲から秋元康さんのような当時若手と言われていた方の曲まで、ありとあらゆるジャンルの歌を歌われていました。
そこまでであれば他にも多くの方がいらっしゃいます。
ただひばりさんのすごいのはいわゆる音楽、歌の基礎教育を受けていない、大御所の内弟子になって歌を学んだとかレッスンを受けたとかが全くなく、ご本人の才能だけで歌ってきたということ。
これってふ~~んと思われる方が多いと感じますが、私たちが基礎教育もなくそれころバッハ・ベートーヴェン・ショパン・ドビュッシー・チャイコフスキーと弾けと言われたら弾けるかという問題です。確かに歌は誰でも歌えます。しっかりと声が出て音程が出来ていれば誰でも歌えます。しかしそれでそれこそ多くの人に感動を与えるような歌を歌えるでしょうか。。。
そう考えた時ひばりさんてとんでもない方だったんだなと思いました。
うん、私先生なしでは今のように弾けたとは思えませんから。
偏に天才と言いますが、これが本当の天才なんですね。
最近すぐに天才という言葉で表現される場合が多いのですがどうも違うんでないかなと感じることが多かったのですが、もちろん才能があるなしという意味ではなくです、友人と話していて納得しました。
そして天才ってやっぱりいるのね、と改めて思った、そんなお話でした。
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